『失語症リハビリテーション実践ガイド 教材4 名詞コロケーション課題①』を実際に確認してみました

教材レビュー

 『失語症リハビリテーション実践ガイド 教材4 名詞子ロケーション課題①』は、文の中に当てはまる名詞を考える課題を中心に収録した教材です。

 単純に名詞の名前を答えるだけではなく、文章の流れから適切な名詞を考える練習になっています。

 また、同じような文章完成課題でも、選択肢、文字の並べ替え、語頭・語尾のヒントなど、ヒントの出し方が段階的に変化するのが特徴です。

 実際に内容を確認したので、どのような課題が収録されているのか紹介します。

収録されている課題

① 絵と選択肢から名詞を選ぶ

 文章の一部が空欄になっており、その部分に当てはまる名詞を考える課題です。

 問題には、

・文章
・答えとなる名詞の絵
・文字数のヒント
・6つの選択肢

が提示されています。

 絵や文字数、選択肢といった複数のヒントを利用しながら、文章に合う名詞を選びます。

 最初から名詞を自由に思い出す課題ではないため、呼称や語想起が難しい方でも、ヒントを利用しながら取り組みやすい構成です。

② 文字を選んで並べ替える

 次の課題では、6つの単語から答えを選ぶ形式ではなくなります。

 答えとなる名詞に含まれる文字に加えて、2つのダミーの文字が提示され、その中から必要な文字を選び、正しい順番に並べて答えを作ります。

 文章、絵、文字数のヒントは引き続き提示されますが、完成した単語の選択肢はありません。

 そのため、①よりも自分で答えの音や文字を考える必要があります。

③ 語頭・語尾のヒントから名詞を考える

 さらに、答えとなる名詞の最初の文字または最後の文字だけが提示される課題があります。

 残りの部分は空欄になっており、文章や絵、文字数、提示された文字を手がかりに名詞を完成させます。

 完成した単語を選ぶ形式や文字の並べ替えよりもヒントが少なくなり、より自分で名詞を思い出す力が求められます。

④ 文字を並べ替えて名詞を作る

 文字を正しい順番に並べ替え、文章に当てはまる名詞を完成させる課題も収録されています。

 文章や絵から答えとなる名詞を考えながら、文字の順番も考える課題です。

ヒントを変えながら自分に合った方法で練習できる

 この教材の特徴は、「文章に当てはまる名詞を考える」という基本的な課題は共通していて、ヒントの種類や量が変化していくことです。

 たとえば、

6択から選ぶ
→ 必要な文字を選んで並べ替える
→ 語頭・語尾のヒントから考える
→ 文字を並べ替える

というように、同じ名詞の表出でも異なる方法で練習できます。

 選択肢があれば答えられる方、最初の音が分かると言葉が出やすい方など、失語症の症状によって利用しやすいヒントは異なります。

 そのため、どの程度のヒントがあれば答えられるのかを確認しながら使いやすい教材だと感じました。

こんな方の練習に使いやすそう

 この教材は、

・絵を見て名詞を思い出す練習をしたい方
・文章の流れで適切な名詞を考える練習をしたい方

などに使いやすい内容です。

 単純な呼称課題だけではなく、文脈の中で名詞を考えたほうが言葉が出やすい方の練習にも利用しやすいと思います。

実際に確認して感じたこと

 同じ形式の問題を繰り返すだけではなく、ヒントの種類を変えながら練習できるところが、この教材の使いやすい点だと感じました。

 特に、最初から自由に答えを書くことが難しい場合でも、選択肢のある課題から始め、文字や語頭・語尾などのヒントを利用する課題へ進めます。

 一方で、文章の空欄に名詞を入れる課題がのみなので、動詞や形容詞なども含めて幅広く練習したい場合は、ほかの教材と組み合わせる必要があります。

 名詞の呼称だけでなく、文章の中で名詞を想起する練習を段階的に行いたい場合に使いやすい教材だと思います。

無料プリントと組み合わせて使うなら

 選択肢から名詞を選ぶ課題、文字の並べ替え、語頭音などのヒントを利用する課題は、難易度を調整しながら練習を進める際にも役立ちます。

 市販教材でまとまった量を練習したい場合には本書を、まずは少量から試してみたい場合には無料プリントを利用するなど、目的に合わせて使い分けてもよいと思います。

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