『川島隆太教授の脳を鍛える大人の国語ドリル』は失語症の訓練に使える?言語聴覚士が内容をチェック

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 失語症の訓練では、音読や漢字の書字、文章の読解など、さまざまな課題を行います。

 今回は『川島隆太教授の脳を鍛える大人の国語ドリル』の内容を実際に確認し、失語症の訓練や認知機能訓練に活用できそうか、言語聴覚士の視点からチェックしてみました。

 結論からいうと、音読や漢字の書字だけでなく、工夫次第で長文の読解課題にも活用でき、訓練の幅を広げやすい一冊だと感じました。

『脳を鍛える大人の国語ドリル』の内容

 このドリルの特徴は、昭和の新聞記事を題材にしていることです。

 主な課題は、

・新聞記事の音読
・漢字の書き取り

となっています。

 新聞記事なので文章量が比較的多く、短文ではなく、ある程度まとまった文章を読む練習ができます。

 また、漢字の書き取り課題も収録されています。

 同じ川島隆太教授の『脳トレ漢字ドリル』と比較すると、こちらの漢字課題の方が難易度はやさしめに感じました。

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 そのため、失語症の方の漢字書字訓練にも比較的取り入れやすそうです。

新聞記事を長文読解の訓練にも活用できそう

 私が特に良いと思ったのが、新聞記事を使っている点です。

 そのまま音読教材として使用するだけでなく、言語聴覚士が記事の内容に合わせて質問を作れば、長文の読解課題としても活用できます。

 例えば、

「誰が登場しましたか?」
「どこで起きた出来事ですか?」
「何がありましたか?」

など、対象となる方の能力に合わせて質問を作ることができます。

 質問の難易度を調整すれば、文章の大まかな内容を捉える練習から、細かな情報を読み取る練習まで幅を広げられそうです。

 市販のドリルをそのまま使うだけではなく、一つの文章から複数の課題へ展開できるのは、訓練教材として大きなメリットだと思います。

認知機能訓練にも使いやすい

 音読や漢字の書き取りは、失語症の訓練だけでなく、認知機能訓練の課題としても取り入れやすい内容です。

 「失語症の言語訓練だけに使う本」というより、対象となる方に合わせてさまざまな使い方ができるドリルだと感じました。

 題材が新聞記事なので、大人が取り組んでも子どもっぽくなりにくいところも良いと思います。

『脳を鍛える大人の音読ドリル』と比べると?

 病院や施設では、『脳を鍛える大人の音読ドリル』を見かけることも多い印象があります。

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 こちらは夏目漱石や芥川龍之介など、文豪の名作の一部を使って音読するタイプのドリルです。

 もちろん音読練習として使いやすいのですが、私自身は『脳を鍛える大人の国語ドリル』の方が、訓練教材としていろいろな使い方ができそうで好みでした。

 新聞記事であれば、音読だけでなく内容について質問を作ったり、要点を確認したりと、読解課題への展開がしやすいためです。

こんな方に使いやすそう

 『脳を鍛える大人の国語ドリル』は、

・ある程度まとまった文章の音読練習をしたい方
・漢字の書字練習をしたい方
・長文の読解練習につなげたい方
・認知機能訓練に使える教材を探している方

などに活用しやすそうです。

 ただし、失語症の症状や重症度には個人差があります。すべての課題がすべての方に適しているわけではないため、難易度を調整しながら使用するのが良いと思います。

まとめ

 『脳を鍛える大人の国語ドリル』は、昭和の新聞記事を使った音読と漢字の書き取りを中心としたドリルです。

 漢字課題は『脳トレ漢字ドリル』と比べるとやさしめで、失語症の書字訓練にも取り入れやすいと感じました。

 特に良かったのは、新聞記事を使っていること。

 そのまま音読するだけでなく、言語聴覚士が質問を作ることで長文読解の訓練にも展開でき、一冊からさまざまな課題を作れそうです。

 音読、漢字書字、文章読解、認知機能訓練と幅広く活用できるため、今回確認した中では、訓練教材として使いやすい一冊だと感じました。

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