失語症の方には、注意障害を合併される方が多くいらっしゃいます。
注意機能や視覚探索の訓練では、間違い探しのような課題を取り入れることがあります。
市販の間違い探しは手軽に使える一方で、イラストが子ども向けだったり、成人の方には少し取り組みにくいデザインだったりすることもあります。
今回は『毎日脳活スペシャル 大人の間違い探し脳ドリル』の内容を実際に確認し、成人の認知機能訓練に活用できそうか、言語聴覚士の視点からチェックしてみました。
内容はとても良く、特に大人向けの題材を使っているところが魅力的でした。
一方で、フルカラーの本だからこそ、病院や施設などで教材として使用する際には少し注意したい点もあります。
世界の名画や世界遺産を使った大人向けの間違い探し
このドリルの特徴は、世界の名画や世界遺産などをテーマにした間違い探しが収録されていることです。
全ページがフルカラーで、大人が楽しみながら取り組みやすい内容になっています。
成人向けの訓練教材を探していると、課題そのものはちょうど良くても、イラストやデザインが子どもっぽく感じられることがあります。
その点、このドリルは名画や世界遺産が題材になっているため、大人の方にも提示しやすいと感じました。
注意機能や視覚探索の課題として使いやすそう
間違い探しでは、2つの絵を見比べながら異なる部分を探していきます。
絵のさまざまな場所に注意を向けながら違いを探す必要があるため、注意機能や視覚探索の課題として活用しやすそうです。
単純な記号や文字を使った注意課題とは違い、絵を楽しみながら取り組めるところもメリットだと思います。
名画や世界遺産が題材になっているため、絵について話したり、知っている場所について会話したりと、課題からコミュニケーションを広げることもできそうです。
フルカラーだからこその注意点も
内容については、とても良いと感じました。
ただし、実際に病院や施設で教材として使用することを考えると、一つ気になった点があります。
それが、モノクロコピーとの相性です。
この本はフルカラーで作られているため、色の違いも含めて見比べやすくなっています。
そのため、モノクロでコピーすると、場所によっては違いが分かりにくくなってしまう可能性があると感じました。
普段の訓練教材をモノクロでコピーして使用している職場では、本来の見やすさを十分に活かせないかもしれません。
自宅用やカラーコピーできる環境なら使いやすそう
一方、自宅で本に直接書き込みながら使用するのであれば、この問題はありません。
フルカラーのページをそのまま使用できるため、間違い探し本来の見やすさを活かして取り組めます。
また、カラーコピーが可能な病院や施設であれば、訓練教材の一つとして加えても良さそうです。
そのため、この本については対象者だけでなく、どのような環境で使用するかも購入を考えるポイントになると思います。
私なら認知機能訓練の教材として購入する?
内容だけで考えると、かなり使いやすそうな一冊だと感じました。
大人向けの題材で、フルカラーの間違い探しを楽しみながら行えるのは魅力です。
特に、自宅での自主トレ用として間違い探しを探している方には取り入れやすいと思います。
また、カラーで教材を用意できる職場であれば、注意機能や視覚探索の課題のバリエーションを増やす目的で購入を検討しても良いと思います。
反対に、モノクロコピーで使用することを前提としている場合には、購入前にその点を考慮しておいた方が良さそうです。
まとめ
『毎日脳活スペシャル 大人の間違い探し脳ドリル』は、世界の名画や世界遺産をテーマにした、フルカラーの間違い探しドリルです。
大人向けの題材が使われているため、成人の方にも提示しやすく、注意機能や視覚探索の訓練として活用しやすい内容だと感じました。
個人的には内容そのものはとても良く、高次脳機能訓練の教材として魅力のある一冊です。
ただし、フルカラーで作られているため、モノクロコピーでは違いが分かりにくくなる箇所もありそうです。
そのため、自宅でそのまま使用する方や、カラーコピーが可能な職場であれば、訓練教材の選択肢に加えても良いと思います。
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